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舞台「ドリアングレイの肖像」

09 16, 2009 | Posted in 舞台

2 Comments
2009/09/12・13
舞台「ドリアングレイの肖像」
兵庫芸術文化センター中ホール
土曜日は、席は真ん中よりやや下手より。
下手のスタインウェイのピアノが、
私から見ると、
とてもいい位置にあって、
弾いてる指先をどうしても見たくなる私には、
その指先もそして役者さんも、
両方キチンと見れる絶妙な場所でした。
始まる前の感想は、
とにかくピアノの位置と、
そのピアノがスタインウェイだったので、
生の音を聴くことがますます楽しみになったことと、
むきだした鉄骨が組み合わさっただけの舞台装置、
これがどんな風にドリアンの世界になるのか、
そして、
ここに本物が立つんだなぁって、
なんか信じられない感じで、
宙に浮いたような気持ちでした。
いつも初めて大好きな人を見る時って、
こんな感じでこんな気持ちなんですよね。
さすがに何度も経験すると、
少しは慣れてくるなぁなんて、
そんなことを思いながら実際は、
冷静さを装いたかっただけだったんだと後から思う。
ドキドキしてたのはいつもと同じだったから。

始まりは前嶋さんのピアノ。
音のよさやテクニックがどうかとか、
そんなことを感じるより先に、
とにかく初めて聴く曲がとても心に響いて、
一瞬でこの舞台でのドリアンの世界を感じることができた。
こんな時、音楽は本当にすごいといつも思う。
その音楽を聴いただけでその世界を感じることができる。
そこには言葉や視覚はなくてもいいんだから。

ドリアンがラヴェルを口ずさむというのを、
劇場ブログ等で見かけてはいて、
不協和音があることも書いてあったので、
きっと印象派に近い音楽なんだと思っていたけど、
でも、
この前嶋さんの曲を聴いてすべて納得がいった。
この舞台のドリアンの心情が、
ロマン派の音楽ではなく印象派なんだ。
だからラヴェルなんだと思った。
そして、
その前嶋さんの弾く曲は、
私のツボにダイレクトに突き刺さった。
ラヴェルやサティ、ドビュッシーが私は大好きなんですよね。
上質な絵画を見てるようなキラキラとした旋律が、
客観的に穏やかに見てる自分と重なるかと思えば、
急に自分の感情がわからなくなってぐるぐると揺れ動くような、
不思議で違和感のある音の響きが突然やってくる。
古典派やロマン派には、
決してない不思議で独特なキラキラした響きと世界。
そして、
それがドリアンの心情と重なって、
本当に舞台の雰囲気にぴったりはまっていた。

音楽だけでレポが終わってしまいそうなくらい、
印象的な前嶋さんのピアノに導かれたかのように、
ついに上手の2階から、静かにドリアン登場。
その出てきた瞬間は、
あれが本物か~って、はぁ~ってなってた。
そしてそのドリアンが、
階段を一歩一歩ゆっくり降りてくる間は、
ずっとうそみたいな気持ちで、
キレイな顔だな~とか、
顔ちいさいな~とか、
雅みたいな髪型だな~とか、
足細いな~とか、
あれほんとに本物の耕史くんかな~とか、
どうでもいいことばっかり頭の中ぐるぐるして、
まったくドリアンに入り込めなかった。(笑)
でも、
最後のショッキングなシーンである、
肖像画を切り裂くところが始まったら、
もうそんなことはすっかり頭から消え去っていました。

このまま、こまかく感想かくと、
長くなってなんかちょっと身が持たないので、(笑)
ざっくりめに行きたいと思います。

まず、舞台。
あの鉄骨が組み合わさっただけの舞台装置が、
角度をかえるだけで、
ドリアンの家、劇場、地下室、阿片屈・・・。
いろいろな場所に見えたことが、
シンプルなのにすごいなと思いました。
くるくるまわることで、
まるでカメラを回してるかのように見えたり。
最近の舞台ってすごいんだな~って思いました。
これが普通なのかなー。すごいですね。

お芝居がはじまって、
バジルとヘンリーのシーン。
とてもイメージとぴったりでした。
特に加納さんのヘンリー。
ご自身も再演を望まれてるのがわかるほど、
ほんとにイメージにぴったりだったし、
数々のヘンリーの屁理屈だらけの正論も、
とても自然で嫌みだけど嫌みじゃない、
すごく魅力的でつい納得してしまう力を持っていて、
それが本当にとてもとてもぴったりでした。
ヘンリーやバジルが、
自分のイメージとぴったりだったからこそ、
よけいにドリアンがリアルで、
お芝居全体に嘘がなく、
とても自然にあの世界観を感じることができたんじゃないかと、
そんな風に思わせてくれるほどよかったです。

それから、
原作との違いですが、
最初はシビルの弟ジェイムズを、
ドリアンが殺すときいて、
原作を2度読んだ私としては、
それはなんか違うんじゃないかって、
そう思ってましたが、
舞台のストーリーを追っていくうち、
あの流れで猟りのシーンをだすのは、
とても不自然だったし、
無駄に長くなるように感じたので、
最低限の出演者の中でおさめるには、
あの流れはしかたなかったんじゃないかと、
見てて思いました。
自分が殺してないとはいえ、
ドリアンがジェイムズの死体をみて、
自分の身の安全を知りうれし涙を流してた原作と、
正当防衛だったと不適に笑う舞台のドリアンと、
根本的なところは変わらないじゃないかなって、
そう思えたので、とりあえずよかったです。

そして、
耕史くんの声。
ヴォーカルを含むかなりの声フェチな私として、
声にはちょっとだけこだわりがあるほうですが、
前から耕史くんの喋る声はとても特殊で好きでした。
でも、生でお芝居で聴く彼の声は、
・・・もう、かなり、きました。胸に。
素敵!!!
もう目をとじててもいいくらい。
いやいや、
あんなキレイな横顔見ないともったいないから、
もちろん顔もガン見しますけど!!
でも、
それでもいいなと思えるくらいお芝居の声が、
とても素敵で好みでトキメキました。
うーん。この声を生で聴くためだけに舞台に行ってもいいな。
それくらい私には価値のあったお芝居での耕史くんの声。
きっとなんかこう胸にくるものがありました。
魂が声に宿ってるような、そんな心を震わす声だった。

彼の演じるどの役も大好きだし、
彼のお芝居が上手なのも、
そんなことは百も承知で見に行った舞台でしたが、
「自分がいてもいいと思える場所は舞台」
そう彼自身が言った意味を肌で感じることができた気がします。
映像ではアップにならなきゃわからない繊細なところも、
映像ではセリフのない決して映らないようなところも、
舞台では常に頭から指先までドリアンのままで、
恋いこがれて希望に溢れてるときも、
辛辣な言葉を吐き捨てるときも、
命乞いをするときも、
過去を捨てたいと嘆くときも、
ずっとずっとドリアンで、
しかもそれが生で2時間もの間ずっとそうで、
なんだか、
それがほんとにすごくて感動しました。
映像もどれもどれも素晴らしいんだけど、
やっぱり生ものは格別だなぁと思いました。
そして耕史くんのすごさを改めて感じて、
もっともっと好きになったことと、
そしてなにより、
お芝居の本当のよさを体験させてもらえて、
ほんとに素敵な時間をすごさせていただきました。
ひとつひとつすべてにありがとう。

日曜は、
カーテンコールの最後に、
耕史くんからあいさつがありました。
カーテンコールの瞬間から、
ドリアンではなく山本耕史の顔になるところも、
なんか役者さんってすごいな~って思いましたが、
素の耕史くんは、ほんと天然でほっとしますね。
なんかかわいくて。
さっきまでのドリアンと同じ人とは思えなくて。
投影がわかんなくて、陶・・酔?ってなってるとこも、
ハラハラするけど、ほんとかわいかったです。

「こういう深い作品なので、
 体力的にも精神的にも、
 つらい時期がありましたが、
 無事終えることができました。
 みなさまのおかげです。
 ありがとうございました。」

メモったりしてないので、
私が覚えてる限りですけど、
そう言った耕史くんの顔がとてもすがすがしくて、
言葉と共にとても印象的でした。

本当にみなさまお疲れさまでした。
まだまだたくさん感想書きたかったけど、
身を滅ぼしそうだったので、(笑)
ざっくりとした感想ですみません。
これでも、十分長いですよね。(汗)

あ、もし再演があるなら、
今度は真っ黒なスーツで、
パンフレットのようなドリアンを見たいです。
ブルーグレイっぽいスーツより、
ぜったい黒のほうが好みだったな~って思って。
あの赤いバラも黒のスーツで見たかったです。
ほんと、
あのパンフのagnès bのスーツが、
超かっこよくてツボだったので。
しばらくは、
あのパンフレットを枕元において寝ます。(笑)

そして、
私なんかの感想を、
こんなところまで、
読んでくださったすべての方へ。
ほんとうにありがとうございました。


またいつかドリアンにあえますように。
まさに「音楽のような演劇」を本当にありがとう。


« ドリアンレポ。 ありがとうドリアン! »

2 Comments
天 音
09 17, 2009
URLedit ]
yuki 様

おはようございます。
ありがとうございました。
音楽レポ私には嬉しかったです。
ラベルとか、サティ、ドビュッシー印象・・・
この表現でふぁーって雰囲気がつかめました。
あーこんな感じの音かなって・・・思えたら
音の脳内再生とyuki様の感想で全体が見えて来る感じです。
耕史君の雰囲気も何となくつかめました。
本当にいい感想でした。楽しませていただきました。
又連絡しますね。
yuki
09 29, 2009
URL [ edit ]
>天音さん

こちらこそありがとうございます!
長い文章を読んでいただきうれしいです。
まだまだ書きたいことあったんですけど、
チカラつきた感じです。(笑)
でも、
少しでも雰囲気をつかんでもらえて、
とてもよかったです。

こちらこそ、またお伺いしますね!
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